「……コーチは私なんかのどこがそんなにいいんですか…??」


改めて初めて聞いた。


何の取り柄もない我が儘な子供で。むしろ意地悪で嫌な自分を、ここまで好いてくれるのは、やっぱり気にはなる。


「……どこがって」


耳まで赤くなり、


「………内緒や!!」


「言わないんですね??じゃあ、[1日、付き纏わない券]、まだ生きてます??」


「えっ!?」


「今から使っていいですか??」


「そんな!!殺生な!!」


「…嘘ですよ。仕方ないから[1日、デート券]に変えます」


一瞬耳を疑った。


「………咲希???……ホンマにホンマにええんか!?」


「じゃあ、やめときますか」


「行く行く行く!!!!!」


次の日曜、別れを惜しみつつ、デートした。


それはもう、べったりと。