「〜〜………で、〜〜は――――」


(授業あってる……。)

更に憂鬱になる。


『今入ったら絶対注目されるし…一限終わってからでいいよね。』



「あかんなぁ。」


独り言に反応した相手はこの学校の保険医だった。

『うわっ!!!びっ、びっくりした……!!』

「ちゃーんと来たんやから早よ授業受けてきいや。」


声の主は気怠そうに欠伸をしながら軽くおでこを突っつく。


『宮(ミヤ)先生、いっつも急に湧いてきますね。』

「人を虫みたいな言い方せんと(苦笑)俺は生徒の行動をちゃんと見とるだけやて。」

『それを世間ではストーカーと呼びます。私とあまり年齢変わらないのに知らないんですか?』


そう言い放つと先生は更に困った顔をして頭を掻いた。

「それ言われるとキツいなー。」


「…まぁ、とりあえず授業は受けといで?」


ぽんぽんっと私の肩を軽く叩くと宮先生は反対方向へ去っていった。



『はいはい…。』