私の名前は神野朔菜(カミノ サクナ)。
今は珪兄ちゃんと二人暮らしをしている。


「昨日納豆買っといたから。ほら、弁当も作ってあるからな。」


幼くして両親が離婚し、母親に引き取られた兄と私だがその母親が再婚することになり二年前から二人暮らしを始めた。


『んー…ありがとう。』

まんまと兄の策略にハマったようで腑に落ちない。


「食わないなら全部食っちまうぞ?」

そう言って私のお皿のウィンナーをヒョイっと取り上げる。


『あっ!!やだ!食べるもん!!!』


特別ウィンナーが好きな訳ではないけど、取られるとなると悔しい。


「わかったから(笑)ほら、食べろ。」

頬ふくらませる私にチョイチョイと差し出す。


―――パクッ



『むぅ………。』

負けた気分だ。