手を上げる羊佑。

「俺ら、友達待ってるから」

「ん、じゃあね」

おー、と返ってくる。あたしはマオの隣に立った。

良い天気だ。最近降ったり止んだり、空が不安定。

マオが空を仰いでいる。





御梶間先生に話したいことが多かったけれど、流石に試験期間中はやめた。
そんな余裕はない。

「だるい、眠い、でも明日現社……」

「お姉ちゃん大丈夫?」

リビングのソファーに座る玻璃がテレビから視線をこちらに移す。受験生はテレビを見ていて良いのか、と言いたいところだけれど、お母さんが買い物に行っている間だけの休憩時間なんだろうと思って黙る。

そしてあたしは、人のことをとやかく言っている暇はない。