校舎に生徒は殆ど残っていないらしく、学校は静かだった。
たぶんみんな、雨が降る前に帰ったんだろう。
「最近、雨多いわねえ。神津さん、雨好き?」
先程の、荻野くんが好きなの? の感じで聞いてくるので、あたしは返事を少し考えた。
「嫌いです」
「あらきっぱり」
「雨降ってると頭痛くなることが多いんですよ。昔からそうで」
知りたくない夢も伝染ってくるし。
知られたくない現実は迫ってくるし。
先生が「私も学生のときそうだった」と同調した。
「でも、雨のおかげで外体育なくなるのは嬉しかったなあ」
「先生もそんなこと思ったんですね」
「今はもういないけど、厳しい女の先生だったのよ。授業前に校庭3周走らせたり」



