悔しくて涙が出た。 あたしは泣いてばかりだ。泣いても何も解決しないのに。 「……は?」 顔を見てそんなことを言われたのは初めてだ。 「ちょ、どうしたんだよそれ」 「扉にぶつかった」 「そんなとこぶつけないだろ」 羊佑ががっちり二の腕を掴んでくる。 「羊佑に関係ない」 この押し問答は今朝お母さんと玻璃としたばかりだ。それを羊佑とまたするなんて気が滅入る。 「関係ないって……」 「どうしたの?」