毛布症候群


数秒して、ケラケラと笑いだした。

「ウケる。なに意地張ってんの」

「別に」

「わかった、その男の夢だったんだ。エロいことしてる夢だったの?」

「人は合ってるけど内容は違う」

マオは楽しそうに聞いている。あたしが夢の話をした時も同じ表情をしていた。

なんでも「硝子が人間の話をしているのが面白い」らしい。

動物の話をすることも滅多にない。

「え、ちょっと待って。このスニーカー可愛くない?」

あたしのお弁当を横に退けていきなりファッション雑誌を見せてくるマオ。いきなり話題が変わることにも慣れている。

これも良いかも! とペラペラ捲っていく。

ちなみにマオがファッション以外の話をしていることも滅多にない。