一時間目の授業が始まる前に、羊佑のクラスに行った。マオが面白半分に後ろについてきている。
「ちゃんと紹介してよね」
「マオちゃんは羊佑とどういう関係になりたいのかな?」
「うちの硝子がお世話になってますーってやりたい」
クスクス笑う。面白がってるな、と思ったけれど特に反論もない。窓の外は青い空に雲が浮いていて、良い天気。
出入り口近くの席に座っていた女子に話しかけて羊佑を呼んでもらう。呼ばれた先の羊佑は、クラスメートの女子と話して笑い合っていた。
なんか、もやっとする。
「あ、おはよう」
「おはようございます、これ」
プリントを差し出す。後ろのマオが動いたのがわかった。



