御梶間先生は、心理カウンセラーだ。中学に来ていた先生で、それからずっとカウンセリングを受けている。

「受けないならメール入れれば良いだけなのに」

「受けないって思ってるわけじゃなくて、本当に忘れてたんですよ」

「分かった。じゃあ来月からは、思い出したら連絡してきてよ。高校生も暇じゃないだろうし」

皮肉のようだけれど皮肉じゃない。この人もかなり忙しい方なのに、こうやってあたしに時間を割いてくれる。

メニューを開いて、御梶間先生はアイスコーヒーとカルボナーラ、あたしはウーロン茶と中華丼を注文した。

休日の昼間は人が多い。老若男女問わず食事をしている。

「私の右後ろのカップル、もうすぐ喧嘩する」

不吉な予言。