肩を竦めて唇を尖らせる玻璃。こんなときにアメリカンコメディアンみたいな仕草しなくて良いんだけど。

「白状します、忘れてました」

御梶間先生は浅くため息を吐いて、「こんにちは」と挨拶をしてきた。「こんにちは」と玻璃が返す。

「玻璃ちゃんは学校帰りぶり。硝子ちゃんは一ヶ月以上ぶり」

「一ヶ月は経ってませんよ」

「そうだねえ、先月も硝子ちゃんはすっぽかしたし」

ははっ、と愉快に笑う。この人の笑い方は好きだけれど、笑うツボはよく分からない。玻璃とは気が合うみたいで、並んでいると姉妹みたいだ。

本当に授業があるらしく、塾へ行く玻璃を見送って、御梶間先生とファミレスへ入った。