ピース、指が増える。
「ふたつ、神津硝子は俺のストーカーである」
三本の指が立った。
羊佑の夢を暴いたのだから、あたしも暴かれるべきだ。
窓の外で雨の降る音がした。鐘の音がよく聞こえると雨、って聞いたことがある。
「みっつ、神津硝子は他人の心を読むことができる」
だから、他人の夢も伝わりやすいのかな。
「……は?」
「正解あった?」
「掠らなすぎて驚いてる」
手を額に当てて考え込む。
気持ち悪いと思うより先に、それを当てに来た羊佑にも驚いているけれど。
雨の日は気を張っていないといけない。授業中に居眠りをして何度も嫌な思いをしたことがある。



