毛布症候群


生徒が先生を好き。そんなのはよくあることで、多くあることではないのかもしれない。学校というのは限られた場所で、生徒はそこを限られた年数で卒業していく。

先生は迎えて送り出す側にいる。

「絶対叶わないわけじゃない、気もするけど」

「言葉から可能性が低すぎることが滲み出てるよ」

「あたしには関係無いし」

ソイラテの容器に付いた水滴を指で拭う。

明日は雨が降りそうだ。







数学の講座は月曜日と木曜日にある。

荻野羊佑問題ですっかり課題を忘れていて、講座前の時間にプリントに向かっていた。教室にちらほらと人が集まり始める。