嬉しいー……。

 中島君、私に声をかけてくれた。

 最初、ドキドキして緊張してたけど……やっと自然に話せるようになってきた。


 それにしても、昨日助けてくれた時の中島君……

 カッコ良かったなぁ~……はぁ……。



「……二宮? どしたの? ボーッとして」

「っ! ううん、何でもないっ」


 あぁ……いけないいけない。思い出してたら、ボーッとしてた……。


 どうしよ……私早くも、中島君のことを……


「……おいっ!」


 え?

 後ろから呼び掛けるような声が聞こえてきた。

 今の声……どこかで聞き覚えのあるような……。

 中島君と一緒に後ろを振り向くと──


「あっ! あんたら、昨日のっ……」


 と、中島君が向かって言った相手は、昨日の坊主頭の三年生二人だった。


 ……え? あの先輩二人……中島君のことをすごく睨んでる。

 あ! まさかっ……中島君に、昨日の仕返し……とか?

 どっ……どうしよー! 私を助けたせいで、中島君がピンチに!?


 坊主頭の三年生二人は恐い顔して、ゆっくりと近づいてきた。


 だっ……誰かぁ~!