まただ。

また、あいつを取り戻せなかった。





「おまえらもこいつらの仲間かァ?」



俺たちに声をかけてきたのは、
残っていたヤクザたち。


「はあ?こいつら?」



見ると、ヤクザたちの集団の中に捕まっていた、『累』と、たぶん桃と冬弥である、
他の二人。




(こいつらが、伊紅を連れて行って、
今、一人で行かせたやつら……)




「はあ?ちげーし。
殺すなりなんなりすれば?」

「おい、それは言いすぎだろ」


そっぽを向いた俺を見て、ため息をつく麗。



「おまえら、ナメんじゃねぇよ」


静かな、威圧感のある声。



ドカッ!


俺が視線を戻すと。


「おまえら主力がいなくなったってこと、
理解してる?

仲間を攫ったんだから、俺たちだっておまえらを殺す気でやらせてもらう」


『累』がゆっくりと立ち上がる。


それに合わせて。


「ギャアッ」

どかどかと音が聞こえる。


「姉さんどこやった?!ふざけんな!」

「お前ら全員目ン玉抉りとって殺す」


他の二人も次々と敵を倒しだす。