「私を連れていけ」


「伊紅!」

累の声が聞こえるけど、どうでもいい。



「私が一人で受ける。
だから、他の三人は………助けて。


………………………………お願いします。」



頭を下げる。


どうしても、他の三人だけは、やめて。



すると。


「いいぜぇ?」


案外あっさり、目の前のヤクザは許した。




「おまえは、本当に俺達と来るんだな?」


「…………行く」



にやっ、と笑って男は言う。



「おい、この女連れてこい」



「姉さん!!」


私は、男たちに立たされ、足を引きずりながら、近くにあった黒い車に乗せられる。



そのとき。



「「伊紅っ!」」

知っている声が、懐かしい声が、した。




(夏葉、麗……………)


夏葉と麗が走ってくるのが見えた。





「ばいばい」