やっぱり伊澄は、鋭い。
「ねえ、伊澄」
「うん。どかないよ」
私の逃げ口も話そうとしてることも、
完全に読んで先回りしていた伊澄。
前の時も私のために、
事件の真相を調べてくれた。
私のことを、
すごく大事に思ってくれてる。
でも。
「…………………どいて」
今の汚い私は、伊澄の重荷になるから。
「無理」
「伊澄にはテストじゃいつも勝負つかないし、足の速さでは負けちゃう」
「そうだね。でも………」
伊澄は覚悟を決めたように、目を見開く。
「ケンカじゃ私、伊澄には負けない」
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