「……………うそ」
そこへ、大勢の不良が近づいてくる。
「お前が、あの『櫻木伊紅』?」
「随分想像と違って可愛いなー!」
アハハハ、なんて聞こえる。
「伊、紅…………逃げ、て」
あんなに苦手な男にこんなに怪我させられたのに、私を気遣ってくれる、園香。
ごめんね。
累の昨日の言葉が、頭の中でリピートされる。
『やっぱり、変われないんだよ。
暴力的な衝動だけは。』
ああ、ほんとだ。
今なら分かるよ、累。
私、やっぱり変わることなんて、
できなかった。
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