すると。 「伊紅?」 「あ」 麗だった。 すると麗は。 「ちょっとごめんっ!」 そう言って私の腕を掴み、あまり店のない、学校の裏のプレハブ小屋のところへ連れて行く。 「………どういうこと?麗。」 「……ごめん。 …………後ろに、夏葉が来るとこだったから」 『夏葉』と聞いて、心臓の動きが早まる。 「……………やっぱり」 呟く、麗。 「え?」 「昨日夏葉に、何かされたんでしょ?」