向こうからも一切連絡がこないまま三連休の初日になってしまった。

私があの時怒らなければ、彼だってムキにならなかったはずだと後悔しても今更どうにかなるわけじゃない。

志乃なら、謝ればいいじゃんと言うだろう…

でも、私の性格から素直に謝るなんてできないからこんなにズルズルと悩んでいる。

はあ〜

「向井さん、そんなに溜息ばかりついてどうしたの?」

「えっ、そんなに溜息ばかりついてました?」

「えぇ、時たま上の空だし、お料理にも手をつけていないでしょう?体調でも悪いの?」

小声で話しかけてくる風見さんが心配そうな表情をしている。

そうだった…
今日は溝口さんの結婚披露宴の真っただ中にいるのに…私ときたら何を考えているの⁈

自分自身に叱咤してから風見さんに微笑んだ。

「……大丈夫です。素敵なお二人に見惚れてました。美男美女でお似合いのカップルですよね。羨ましいです」

「向井さんにも素敵な彼氏がいるじゃない⁈」

えっと話しかけてきた人を見れば山城さんで、彼の横には可愛らしい奥様がニコニコと微笑んでいた。

「そうなの?山城君だけ知ってるなんてずるい」

頬を膨らませる風見さんに困り顔の山城さん。