「嫌に決まってるだろ。いいからとっとと帰れよ」
そう言って振り向くと、すごく近くに彼がいた。顔が彼の体に当たるぐらい。
びっくりして後ろに下がった。
だが彼は少しずつ俺の方に近寄ってくる。
俺は少しずつ距離を取るように離れた。
それでも彼は近づいてくる。
後ろにもう1歩歩き、とうとう背中に壁が当たってしまった。
表情はあまり出さないが、心の中ではすごく焦っている。
ホントなら叫びたい。だが俺は松に上がったんだ。
ここでその力を発揮するチャンスじゃないのか。
決意して身構えた瞬間。
彼に両腕を掴まれた。
俺の目の前には顔。1センチもない距離。
彼の口によって俺の口を塞いだ。
「んっ!!」
息ができなくなり、口を開けてしまった。
チャンスというばかりに彼の舌が口の中に入った。
俺は暴れるがびくともしない。
段々と力が抜けてきた。
足に力が入らなくなり、ついには立てれなくなった。
彼に腰を支えられ、胸の近くに口をつけられた。
痛みが走り体が跳ねる。



