...あれ? やばい、無い。 私の大切なものが。 鞄の中、教科書の間、机の中、ロッカー、ポケット... ありとあらゆる場所を手当り次第探す。 ......無い。 サーッと血の気が引く。 「せ、先生っ!!」 先生は私の慌てた様子を見て眉をひそめる。 「どうかしたか?橘」 「大切なものを家に忘れてしまって...取りに帰ってもいいですか?」 「何を忘れたんだ?」