朝起きたらヨウがいると思ったのにいなかった。

おにぎりが食べれなかったからって、すねてついに成仏しちゃったとか?

「……お前が怒ってどうするんだ」

怒りたいのは、わたしだよ。

呟いて学校へと向かった。




「おはよ」

教室に着いてしばらく文庫本に目を通していると、才伽ちゃんから声をかけてくれた。

「……お……おはよ」

この前少し話したから、そんなに緊張しなくてほっとする。

「あれー? 何これー? しおり?」と、驚いた声を上げた。

振り返ると才伽ちゃんの机の上に数枚しおりが置いてあった。

昨日、わたしが作ったのに似ている。

「誰が置いてったんだろ?かっわいーよね」と、わたしに見せるけど自分で作ったものに思えて、「うん」とは言えなかった。

「もしかして西宮さん?」

「えっ?」

「図書委員で作ったことあったって言ってたから」