「ごめんね」

顔を上げたら、ヨウがそこにいなかった。

あれ?

嘘だ。

どこに行ったの?

「ヨウ? ヨウ?」

返事なんてない。

「話の途中で消えるのダメって言ったのに」

だけどいるかもしれないって、探した。

結局、見つからなくて、同じ場所にまた戻ってきた頃には、足元にいた猫とモグラは、波に連れ去られるように消えていて、わたしはもっと寂しくなった。