「嘘」 美術室に幽霊がいるとか二嶋くん言ってたっけ……。 そんなわけないと思うのに、そうなのかもしれないっていう思いが勝ってしまう。 「ドア、壊れただけだよね?」 いや。ドア壊れただけでも困るけど。 今日は確か部活が休みだったから、美術部の人も来ないし。 こんなところで一晩過ごすだけでもぞっとする。 「だ……誰かー! すみません!」 ドアを乱暴に叩いた。 助けてっ! そのとき、後ろから「おい」と声がした。