新学期。

朝からザワザワとうるさい廊下を人混みを掻き分けながら進む。

そして、教室に入る。

するとクラスのリーダが、

「よくこれたよね〜あんな事しといて」

「ほんっと、サイテー」

こんな事もう慣れたから。

自分に呪文のように言い聞かせる。

目に涙が出るうっすらと滲む。

駄目だ。ないちゃ駄目。

何度も何度も心の中で言い聞かせる。

でもわたしだって人間。

いくら強がっていたって、限界ってもんがある。

そのまま、トイレに駆け込もうとしたその時

ドンッ

肩に衝撃がはしった

「痛た…ごめんなさい」

ぶつかった相手は見慣れない顔だった。

「どうして…どうして、泣いてるの?」

「え、私……」

その子に言われてやっと気づいた。

目から溢れた涙が私の頬をつたっていることに。

「ごめんね!痛かったよね!ほんっとにごめん!膝から血でてる!保健室行こ!」

「えっ……」

私は少し驚いた。

だって最近はまともに人と会話した事がなかったから。

その子は私から何かを感じ取ったのか質問したしてきた。

「なんかあったの?あの涙はきっとぶつかっただけのものじゃない気がする。私で良かったら聞かせて?」

私はその優しさに慣れてないから、感情がぐちゃぐちゃになって叫ぶように泣いた。

その間も彼女はそっと私の背中をさすってくれていた。