『今まで黙ってたんだけどね......』 せつは重たい口を開いて話してくれた。 電話越しでもせつの不器用さが伝わってくる。 幼なじみだからこそ、気を遣いあって上手くいかなかったこと。 近すぎる存在だからもう踏み込めなかったこと。 ......今回のせつの涙が、数年前から繋がっていること。 私が見えていなかったせつのお話。