後日。


相変わらず保健室でほっこりお茶をいただく私。


「寛ぎすぎやねん」


結局、あれから花子さんはお父さんの仕事の都合で、またすぐに転校してしまった。


小学生の頃の転校も、案外そんなもんで、ただの偶然だったのかもしれない。


そりゃ名前がどうって弄られる暇もなければ友達を作る暇もないだろう。


そう思うとちょっと可哀想な気もした。


大変だな、転校ばっかりするのも。と一応、メアドの交換だけはした。


なんか平和が戻った感じがする。


「王子様、どっかにいませんかね」


「なりましょうか??」


「いや、もういいです…」


さすがに矢水の親とわかった以上、恋愛対象からは外れた。


「イモコ」


「はあい」


面倒臭そうに手を上げる私。


「………俺が、なったってもええで」


蚊の鳴くような声で。