「じゃあ名字が違うのは…」


「ああそうか、イモコは知らんかったな。知ってるもんやと思って喋ってたわ。オカンの旧姓やねん」


「そういう訳です。僕もフリーなので、心置きなくいらっしゃい、イモコさん。いつでも空いてますよ?」


また爽やかな笑顔になる先生。


「別の意味で問題やろう、こんのエロ保険医」


「だから、エロ親父なんて言い方…」


「さすがに俺でも、赤の他人にそんな憎まれ口、出来へんわ」


はあ、そうですか。
まあ確かに、白鳥先生限定で敬語使ってなかった気はするけど。


っていうか。


親子だからなんだな、このどことなく似た雰囲気は。


それなのに好きになってしまったの何のとひとりドキドキしたのか。


「だからって、矢水を嫌いなことに変わりないけどね」


意地悪言ってみる。
さすがに前ほど嫌いじゃなくなった。


まあ、マイナスがゼロになったくらいだけど。私にしては大きな進歩だ。


「あ~あ。助けてあげたのに、バッサリ振られましたね、颯斗くん」


嬉しそうに。


「また、保健室、遊びに行っていいですか??」


「いつでもどうぞ」


「せやから、親父はアカンて言うてるやん!!」