ただひとり、縁に恋仲が出来たと信じた


永倉は、数日後




「縁、おめでとう
幸せにしてもらえよな!!
俺も恋仲が出来てさ
もう、幸せいっぱいだから!!」





「そっ……そうなんですね!!!
おめでとうございます!!!
お幸せに!!!」














いつものように、伊東と密会




「本気にしてるの?」


「へ?」


「永倉君よ」


「は?」



「貴方って……本当
面倒くさい馬鹿ね
ヤケクソで、恋仲作ったに決まってるでしょ?」



「なんで?」



「貴方が好きって、彼は言ったもの
貴方は、それに
答えないまま、ふってしまったのよ」


「よくわかんねぇけど……
永倉さん、モテるし
俺みたいなのより、良かったと思う」




(死んじゃうかもしれないんだ…
健康な人と、家族を子供を作って欲しい
私に出来るのは、永倉さんの幸せを
見届けるくらいだから…)




永倉の恋仲の事も、皆にバレバレだった

ただひとり縁だけは、信じた

それを伊東がわざわざ教えた




「戻れなくなるわよ?
手遅れになるわよ?」






「後戻りは、しません」






(私には、時間がないから
もう、戻れない
進むしかない……)