(お兄ちゃん…新選組の敵だったの?)




永倉の縄を解き


立ち上がる


合わせる顔がなくて

後ろを向いた




「裏切り者……」




永倉の低い声がして、振り向くと


グサッ



落ちていた、敵のクナイで


永倉が縁の腹を刺した





縁は、永倉の顔を見た

そして、苦しい表情した永倉の頬に

そっと手を伸ばした



「はぁ……は……ふふっ」



精一杯、永倉に微笑むと、バタリと倒れた








「おい!新八!!まさか!お前が…?
縁!!しっかりしろ!!」





巡察で、駆けつけた原田が

縁を抱えた


「軽っ!!!」


バシッ


「新八!!何、ボケッとしてんだよ!!
引き上げるぞ!!!」