「縁さんに嫁げないなら
ここで、女中として勤めます!」



詩乃は、笑顔でそう言った




「辛くないか?
洗濯してたら、血とか… 見るだろう?」



「縁さんったら、優しいのね
私、今ね
自分以外で、大切だと思えるのは
縁さんだけなので!
そばにいれたらいいですよ!」



所帯を持つ気はないこと

恋仲のフリで

詩乃に恋心がないこと


素直に話した




詩乃は、笑顔を絶やさず




縁を問い詰めることもしなかった







近藤らに、詩乃ひとりで


女中として、新選組に残ると言った





山南が 「いいのかい?」と聞くと



「はい!
もとより叶わぬ恋だと、わかってました
恋仲のフリなんて、頼んで
縁さんに悪いことしちゃった
あんなに…辛そうなのに
私を気遣ってくれて…」













縁と詩乃が、別れたとすぐに知れ渡った