その数日後



坂本龍馬の暗殺現場に、新選組の

原田の鞘があったと

伊東が証言したことにより

雲行きが怪しくなってきた




体調不良の縁は、藤堂の部屋に移され

この問題を藤堂も伝えず

知らずに寝込んでいた




さらに数日後





「藤堂さん…
新選組の副長が面会要請しております」




呼びにきた門番に頷く



「ちょっと行ってくるな!」



縁に微笑んで、門前へ





「平助 どんな状況なんだ?
なんで、伊東さんは、嘘ついた?」


「縁から、何の報告もないが
どうしたんだ!?」


「縁は、風邪で寝てる
伊東さんの事は、こちらの皆も驚いてる
わかりやすい嘘だから…」


門前で、土方と永倉、藤堂が

話をしていると




「堂々と密会してんじゃねぇよ…」




フラフラしながら、縁が近づいた



「縁!!ダメじゃないか!寝てないと!」


「副長が来るなんて、ただ事じゃねぇだろ
永倉さんも… 
何があった?」


原田の一件を話した後



「斎藤から報告があった
伊東さんは、近藤さんの暗殺を計画してる
……その反応は、やはり
知らなかったんだな
平助、縁 抜けて戻ってこい」



「すぐには、無理だな」


藤堂が答えた

縁の体調を心配しての事




「縁?大丈夫か?」


「伊東さんが…… 近藤さんを?」





予想外の事に、動揺していた




「あら?皆さんお揃いで?」



出掛けから、戻った伊東がニコリ


「伊東さん?」


縁がグラリと倒れるところを伊東が

抱き止めた





「藤堂君、看病は私がするわ」







縁を抱え歩く伊東の後ろ姿を見送り


永倉が呟いた




「縁を裏切るなって、言ったのに…」