離脱当日



同じく間者の斎藤と縁が行くと

出発前の見送りで発表され

伊東の予想通り沖田は、荒れた



パシィーーーン!!!




縁の頬を思い切り叩いた



「何の相談もしないなんて!!!
許せないよ!!!」



俯き、握った拳を振るわせる沖田から

土方に視線を送ると、土方が小さく頷く

それに、少し口角を上げ



「お世話になりました」



お辞儀をして、新選組を後にした




土方と縁のやり取りに気がついた永倉が

沖田に耳打ちした


「土方さんの指示だ」


「えっ!!」  ゴンッ


「「 イッタタタッ 」」


勢い良く頭を上げたせいで

永倉の顎と頭が当たった







場所を移して、土方の部屋



「斎藤と縁は、間者だ」


「先に言って下さいよ!!!
叩いちゃったじゃないですか……」


「お前がすんなりと、いってらっしゃい
とか言ってたら、ばれんだろうが!!!」


「うまくやりますよ!!」


「どうだか!?」


「帰って来たら、謝ればいいさ」


「うん……早く帰って来たらいいなぁ」 








一方、御陵衛士


「まさか、斎藤と縁が来るとはね」


「平兄ちゃんがさみしいかなって」


「斎藤は?」


「副長とうまくいってなくてな
溝を埋められそうになかった」


「ギスギスしてたもんなぁ~」


「そうか?そうだっけ?」


「平兄ちゃんは、のん気だもんな!
あんなに仲が悪くなってたのに!!」


必死に斎藤がついた嘘を縁が上塗りした