学校での昼休み、律は読んでいる本について同級生の勇と語り合う
「『丘の上で待つ』、面白いよね」
「うん、あの読者を良い意味で裏切ってくれるストーリーが僕は好きだな」
「そうそう!この場面でまさかそんな事になる?って思う箇所いっぱい出てくるんだよね」
「でも読んでいくと全部が繋がって、なるほど、ってなるんだよ」
会話の途中に千尋が入ってくる。
「盛り上がってる所にごめんなさい…でも律、要が空腹で死にそうな顔してるわよ?」
わなわなと慌てながら昼食の用意をする律…会話していた同級生には申し訳ない表情だ
「僕はいいから早く行ってやらないと要が大変だよ?ほらほら、頑張れ~お兄ちゃん!」
「ごめん、勇!また後で」
律たち3人は教室から出て行く…会話していた勇は思う。
“ああ、律と里見さんって画になるなぁ…お似合いだよ二人とも”
ひょこっと要が教室に戻って来て手招きしている。すると一番後ろの席から立ち上がり善一朗が出て行く
“橘くん…成績よし、顔よし、性格よし…モテるんだろうなぁ…でも…何より僕は君の運動神経が正直、一番羨ましいよ”

“僕、石田 勇はコンプレックスがある。父親が新撰組好きで近藤 勇の様な強さにあやかれる様に付けてくれた名前、因みに弟は歳三…ありがとう、お父さん!そして、ごめんなさい…成績は中の上くらいだけど僕は…全く運動ができません…”
勉強はできる方だが、完全な運動音痴…それが彼にとって最大のコンプレックス