朝日が眩しい、本日は晴天なり…天候はどうあれ、いつもと何も変わらぬ登校時間になったので外へ出る
玄関に鍵を掛け、現在は自分たちしか住んでいないが「いってきます」と一言だけ発しドアノブを回したまま軽く引っ張り施錠を確認する律、その後ろで首を片手で抑え大きなあくびをしている要
歩きだすと、先に千尋と明音が待っていた
「おはよう」朝の挨拶、これも何も変わらない4人で学校へ向かう、いつもと違うのは並んで歩いている律と千尋の頬が少し赤い事、それに特には触れず、にやけ顔になる要と明音

登校中、歩きながらの会話
「そういえば二人は、よく一緒にお風呂入るの?私とお姉ちゃんは毎日じゃないけど一緒が多いよ!」
明音からの素朴な質問
「その方が節約にもなるからね」
主婦みたいに千尋が言う
「俺たちもよく一緒に入るよー!ね~律?」
元気に要は言うが律は
「ただ僕が入ってる時に要が入ってくるだけだよ、別に嫌だとか思わないけど…こっそり入ってくるのは怖いからやめてよ頭洗ってるのにいきなり背中流されるとゾッとするから…」
要は明音の耳元で囁くが、わざと律へ聞こえる様にニヤニヤしながら言う
「律の背中ってスゲー綺麗なんだよ~あとビックリする時、フニャッ!って言う…」
それを聞いて明音も何故かニヤニヤする
「やっ!やめてよっ要!なんか…恥ずかしいよ…あっ!だから何時も毎回こっそり入ってくるのか」
要にからかわれ、あたふたする律を見ながら姉妹は心の内で同じ考えを共有する
(あっ…なんかカワイイ…)

ーー雑談をしていると学校へ到着、当然だがここで明音は学年が違うので別の教室になる片手を軽く振りながら
「じゃあ、また後でね!」
3人も同じ動作で返す
「うんっ後で!」
…教室に着く、後方から3人に挨拶の声
「…おはよう、今日はいい天気だね?」
その声の主に思わずギョっとなる要…
「ん?どうかした?」
妙な態度に疑問を抱かれるが、直ぐに返事をする
「いや、なんでもねー…オハヨ、善一朗」
千尋と律は優しく笑顔で応える
「おはよう、善一朗くん」
「やぁ、おはよう!善」
爽やかに挨拶を交わすが、約5秒ほど笑顔のまま律と善一朗は静止する
「……どうだった?善」
笑顔を続けて律が問う、一方の善一朗は表情が崩れる
「う~ん…やっぱりダメだね…」
謎のやり取り…意味不明…だが二人はこのやり取りをほぼ毎朝行っている
「今更だけど…律たち、何なの?それ?」