自分の右手を優しく包む千尋の両手に空いた左手を添え、律も語る。
「千尋は不思議な事を言うね?あの時の事なら覚えてるもなにも…忘れるはずがないよ千尋?それで僕の事を強いと感じたのなら全部が反対だよ、君が僕を強くしてくれたんだ…大切な人が目の前で泣いてたら護りたい、助けたいって誰でも思う。僕だって男なんだよ?幼いなんて言い訳にならない…一緒に泣いてもどうにもならない…とにかく安全な場所へ!って千尋の手を取った瞬間、小さな手が恐怖で力が入ってなかった…僕が絶対に助ける!って自身に誓ったんだ…千尋の手が僕に勇気をくれたんだよ」
真剣な眼差しで真っ直ぐに千尋を見つめると、今度は千尋が堪えきれず涙を浮かべ律へ謝る。
「ごめんなさい…律…ごめんなさい」
理解が出来ず、律は問う
「どうして泣いてるの?…それにどうして謝るの?」
必死に答えようとする千尋
「わたっ…わ…る…ご…めん…っさ…い」
伝えたいが言葉に出来ない…律は咄嗟に添えていた左手を千尋の後頭部へ回し自分の胸へ引き寄せる。
「先ずは落ち着いて…無理はしなくて良いよ…ゆっくりで大丈夫だから」
千尋は声が出ず小さく一度だけ頷き…律の右手をギュっと強く握りしめる。穏やかに安定した律の心音が優しく千尋に落ち着きを与える。
「……きっと私が悪いの…ごめんなさい」
まるで子供をあやす母親の様に千尋の頭を軽く撫でてやりながら律は聴いてゆく
「どういう事かな?」
自分の推測を千尋は律へ説く
「急に要が律を“強く”したいって言い出したのは学校で私が友達と話してた内容を、たぶん要は聞いてたんだと思うの…要のあの態度からみて間違いない…だとすればこんな事になった原因は全て私にある…ごめんなさい」
「千尋は不思議な事を言うね?あの時の事なら覚えてるもなにも…忘れるはずがないよ千尋?それで僕の事を強いと感じたのなら全部が反対だよ、君が僕を強くしてくれたんだ…大切な人が目の前で泣いてたら護りたい、助けたいって誰でも思う。僕だって男なんだよ?幼いなんて言い訳にならない…一緒に泣いてもどうにもならない…とにかく安全な場所へ!って千尋の手を取った瞬間、小さな手が恐怖で力が入ってなかった…僕が絶対に助ける!って自身に誓ったんだ…千尋の手が僕に勇気をくれたんだよ」
真剣な眼差しで真っ直ぐに千尋を見つめると、今度は千尋が堪えきれず涙を浮かべ律へ謝る。
「ごめんなさい…律…ごめんなさい」
理解が出来ず、律は問う
「どうして泣いてるの?…それにどうして謝るの?」
必死に答えようとする千尋
「わたっ…わ…る…ご…めん…っさ…い」
伝えたいが言葉に出来ない…律は咄嗟に添えていた左手を千尋の後頭部へ回し自分の胸へ引き寄せる。
「先ずは落ち着いて…無理はしなくて良いよ…ゆっくりで大丈夫だから」
千尋は声が出ず小さく一度だけ頷き…律の右手をギュっと強く握りしめる。穏やかに安定した律の心音が優しく千尋に落ち着きを与える。
「……きっと私が悪いの…ごめんなさい」
まるで子供をあやす母親の様に千尋の頭を軽く撫でてやりながら律は聴いてゆく
「どういう事かな?」
自分の推測を千尋は律へ説く
「急に要が律を“強く”したいって言い出したのは学校で私が友達と話してた内容を、たぶん要は聞いてたんだと思うの…要のあの態度からみて間違いない…だとすればこんな事になった原因は全て私にある…ごめんなさい」

