「ーーなぁ?お兄たまよぉ~」

ソファーに両手を広げ深く座り、要は律へ声を掛ける。それに対し、少し離れた椅子から立ち上がり、読んでいた本を閉じると溜め息にも似た息を吐き要の右隣へ浅く座り、律は口を開いた。
「要…それは何かしら企んでる時の顔だね?嫌な予感しかしないけど、仕方ないから聞くよ…聞くまでずっと言うだろうし」
今度は完全に溜め息を吐き、律も深くソファーへ座り直す。
「さっすが!お兄たまぁ~!あのね!…」
満面の笑みを浮かべながら律へ甘える様にくっつく要だが、先に律からのお願い
「うん…でもちょっと待って、その『お兄たま』は止めてよ…何か気持ち悪い…それに僕たちは双子なんだからさ」
同じ顔の弟は、へらへら笑っている。
「わかってるよ~律は冗談が通じないなぁ、あっ!それでね!」
再度、用件を伝えようとした瞬間に部屋の窓が開く

「今日も仲良しだね~お邪魔しますヨっと!」

「本当ね、お邪魔します」

二人組の少女たちが窓枠を乗り越え入ってくる。