割と綺麗な校門前でポルシェから降りる。



「...ありがと。ルナ」


「いーえ。琉衣、大丈夫?
学校でなんかあったらすぐ連絡ね」


「わかってる」


「ホントに?」


「...ルナ、私小学生じゃない」


「いやまぁ、そうだけどさ...」



1人の妹をもつルナは、


家事ができて、面倒見がよくて...ETC


とにかく、私たちの中ではもはや親のようだ。




ハンドル片手に眉を下げるルナが


まるでお預けを食らった犬の様で


私は思わず微笑んだ。



「...ルナ、心配性ふふっ」


「っ!!!......はぁ、琉衣には敵わないよ」



軽く手の平で顔を覆ってルナが呟く。



...あれ、



「...ルナ、風邪?顔赤い...」


「え、あ、気のせいだよ、ほら行っといで」



「...うん」


「じゃあ」



ブロロロ...



という車の発進音と共に、さっきまで私を乗せていた
黒塗りの外車が去っていった。



「学校、か...」



眠いし、ダルイ...


どこ行ってってルナ言ってたっけ...


忘れた...


......面倒臭...