眠たい王女様は夢うつつに現実をみる








「...やだ。...別の子なんて、絶対に嫌だ!僕は琉衣ちゃんだから、



姫を作ろーと思ったんだもん!」



「せやせや!るいやん以外なんていやや!



...それに悠紀が乗り越えられたのは



るいやんのおかげなんやで!」



「いうこときけ。奏、悠紀。


先代は考えがあって言ってるんだから、


お前らがちゃんとしないでどうするんだよ。」



ずっと黙っていた祐が2人をさとすが、2人は黙らなかった。



「やだやだやだ!琉衣ちゃんじゃないなら、


姫なんかいらない!


なんで、関わっちゃダメなの?意味わかんない!」



「落ち着け悠紀。まだ、月影さんも同意してない。


悠紀がどう抵抗したって、彼女が姫にはならないよ」



「でも!...」



「...るせぇな。姫はつくらねぇっつってんだろ。


月影だろうが、誰だろうが俺は煌月に姫をつくる気はない。


…お前らがなにを言おうがな」



静かな殺気のこもった威圧的な葵の声に、



2人はぎゅっと唇を噛み締めた。