in屋上



「それに、しても...」



そう呟いたのは悠紀だった。



「あの子、不思議な子だね」



興味がある、というように祐が笑う。



「可愛ええよなー!あの気だるげな雰囲気が、ギャップ?的な感じで...」



にこにこと上機嫌で話すのは奏。



「...悠紀、もう...平気なのか」



言葉少なにたずねるのは葵だ。



「うん。大丈夫。なんか、あの子に救ってもらっちゃった」



すっきりしたのだろう、悠紀は綺麗に笑っていた。