「じゃ、シエル、琉衣を宜しくね」
結局これからもまた、
ルナに校門前まで送ってもらうことになった。
「了解〜」
ゆるくシエルが返事をすると、
ルナは私に小さく微笑んでから車を発進させた。
校門を潜ると、スグに何かが立ちはだかった。
私がぶつかった人は、夏目葵だった。
そして、夏目の周りには、それぞれ煌月の面々がいた。
私がぶつかった反動で倒れそうになったのを、
シエルはひょいと受けとめると
人を小馬鹿にしたような笑顔で、煌月に向き直った。
「あっれ〜。チビくん含む煌月さんじゃーん。どーしたの〜?」
「だからチビじゃないっていっ「悠紀」...はあい...」
天野くんの言葉を夏目は諭すように遮った。
「...で、煌月の皆さんは、何の用なのかな〜?」
「...話が、ある」
夏目は私の目を真っ直ぐに見つめてくる。
「...るーに?」
「あぁ」