私が、”暴走族”という単語を
小さく呟いたことに不安になったのか、
「...怖い?」
...と、寂しげに笑い、可愛い子の瞳に影がさした。
「...別に」
怖いも何も無い。だって私も似たようなものだし。
平然と私が言うと
「そっかぁーならよかった!」
と、私が全く怖がっていないのを察したのか
表情が、一気に輝く。
...一瞬、彼の背後に仔犬が見えた気がした。
「あ、そうだ!自己紹介まだだよね!しよ!」
...何故?
「面倒臭いのでいいです」
と、私が言ったら 、ずっと無関心そうにしていた、
カッコイイ人も含めて、4人全員の表情に驚きが広がった。