眠たい王女様は夢うつつに現実をみる




そのまままっすぐ帰る気にもなれなかったから、

近くの公園の脇に車を停めた。


〜♪〜♪〜


俺はうなだれ、車内が静寂に包まれていた中、


その場にそぐわない陽気なメロディが


ケツポケットから流れてくる。


画面を見て小さくため息をこぼす。


「...イオか」


ピッ


「もしもし?」


『もしもーしルナ?』


「それ以外に誰がいるわけ?」


『...いや、ね...琉衣はもう行った?』


「...行ったよ」


『...そっか』


「...用は?」


『んー...まぁ、仕事のことなんだけどね』


このタイミングで、か。


「誰から?族絡みなら断ってくれる?」


『いや...まぁ族絡みっちゃ族絡みなんだけど...


...アイツ...琉羽直々に依頼された』



...琉羽が、直々で...?



「...そうか。で、内容は?」