眠たい王女様は夢うつつに現実をみる





玄関で涙を流し続ける私。


シエルは一旦部屋の中に入って、


一つの細長い箱を持ってくる。


「...ごめんね。お土産、こんな時に。


...貰って、くれる?」



まだ、喋れないけど、私は頷いた。



「...ありがと、るー」


優しく微笑むと、シエルは箱を開けた。


そこには、プラチナの十字架に


ダイヤとサファイアが埋め込まれた、


華奢なネックレスがおさまっていた。


「...つけて、くれる?」


おずおずとシエルがたずねる。


でも、


「こんな綺麗なネックレス、私には似合わない...」


ぶんぶんと頭を振ってシエルは笑った。


「似合うよ!」




「...ありが、とう」