眠たい王女様は夢うつつに現実をみる









...月影、琉衣。



かなりの美人だと思う。



長くて、光加減によっては金にも見える


茶色のストレートの髪は、


無造作にその華奢な背中を沿って流れ、


傷みのない艶やかなそれは、恐らく地毛だろう。



つり目がちの、常に眠たげな大きな碧い目。


長いまつ毛も明るい茶色。


ほとんど動かない、桜色の小さな口。




雪色の透けるような肌。

俺の両手ですっぽり収まってしまいそうな、小さな顔。

長い手脚はモデル顔負けで、繊細で華奢なまるで人形のような...



...描写すれば、数限りない程美しいと言える、


2人とみない美貌の持ち主。



彼女を一言でいうなら、そんな感じだ。



そんな月影がかけた魔法。


月影が、笑うだけできっと、誰しもが魅了される。




...俺はきっと、自分もそのうちの1人だと、認めたくなかったんだ