「月影琉衣。...いや、琉衣。
俺はお前を気に入った。だから...俺らの姫になれ」
夏目が私に命令する。
...でも、私は分かった。
その目は、まるで私を試すような、
そんな雰囲気を纏っていた。
[気に入ったから姫になれ]
なんて命令しているような、
目でないのは確かだ。
「どうなん?...るいやん」
赤羽は、ためらいがちに[るいやん]と言った。
「僕らは賛成だよ!ね、祐!」
「うん。月影さんさえよければ」
私だけじゃない。承諾は、夏目に取らなくてはならない。
...まぁそもそも、なる気はないけど。