「いや、あの、ちょ、待ってよ」



私が歩こうとすると、この人に腕首を掴まれた。



「...なにか?」



「なにか?っていうか、校長室までの道分かるの?」



「...いえ」



この人は呆れたように笑った



「どうやって校長室行くつもり?」



「...」



「俺が案内してあげる」



「...ありがとうございます」



...校長室行くの面倒臭いから、どこかで寝てるつもりだったんだけど...



厚意は無駄に出来ない...か。



「じゃ、行こ」



手首を掴まれ、引っ張られるがまま校長室を目指した。