先生。あなたはバカですか?

花織ちゃんは、去っていく川島君の背中を見詰めながら、不思議そうな顔でサラリと失礼な事を言ってのける。



さっきのバスの中での事を思い出す。


きっとアレは、私が問題集を物欲しそうにしていたから協力してくれたんだ。


少し悔しかったというのが本音だけれど…



優しくない人というわけでは、ないような気がする。







「翠ちゃん!同じ部屋で良かったねー!」


部屋に着くと、荷物の整理をしながら花織ちゃんが嬉しそうにそう言った。


そんな花織ちゃんに、私は照れながらも頷く。



部屋割りはクラス毎に振り分けられる事になった。


私達のクラスからの女子の参加は、私と花織ちゃんの2人だけ。


必然的に花織ちゃんと一緒の部屋になった私は、少しホッとしていた。


「翠ちゃん、15時までの自由時間どうする?私はちょっと館内探索でも行ってこようかと思うんだけど、翠ちゃんも一緒に行かない?」


「私はいいや。少し自習をしようと思う」


「そっか!じゃあ私行ってくるね!翠ちゃんもあまり根詰めないでね!」


「うん」


「行ってきます!」と言って手を振る花織ちゃんに小さく手を振って送り出す私。