先生。あなたはバカですか?



なるほど。



うちの学校は、3年に限っては学力に応じたクラスになっている。


A組からC組までは進学クラス。


A組には特に偏差値の高いの大学を目指す生徒が集められているというわけだ。


2年の時は学力問わずのクラスだったから、今はA組の花織ちゃんとB組の川島君が元は一緒のクラスだったという事もあり得るのだけど…


常に無気力な川島君と、常に元気な花織ちゃんが仲良さそうに話しているのは、何だか不思議な光景だ。


「それ…さっきの景品?」


「え?」



あぁ。


これの事か…。


私の右手には小さな旅行用カート。


左手には紐で縛られた、景品の問題集達。


「そうだけど…?」


「重いでしょ。持ったげる」


「え!?だ、だいじょ…」


川島君は、ヒョイと私の手からそれを奪うと、スタスタと宿のある方に歩いて行ってしまった。


持って貰っておいてなんだが、


マイペースな人だ…。



「川島君どうしちゃったんだろ?人に優しくなんてするような人じゃないのに」


「……」