先生。あなたはバカですか?




「わぁぁぁーー!!!すっごーーーい!!!
見て見て翠ちゃん凄いね!綺麗だね!」


「あー…ね。」



ようやく目的地に着きました。


目の前に広がる青い海に目を輝かせ、子供のようにはしゃぐ芝関さん…もとい、花織ちゃん。


その横でげっそりと首を垂れているのは私だ。



まだ講習会は始まってもいないのに…


まだ、宿にすら着いていないっていうのに…



なんなのこの疲労感…。


もういっそのこと帰りたい…。



「何だ生田スイ。バス酔いしたか?」



私の頭に肘をついて、「やー見晴らしいいねー!」とかぬかしている不良教師。



あんたのせいだ!

あんたのっ!!




「行こう。花織ちゃん」


その手を振り払って、宿のある方に向かって足早に歩き出す。


「翠ちゃん翠ちゃん!」


小走りでついて来る花織ちゃんに、はっとして歩く速度を緩めると、コソコソ話のスタイルで私の耳に口を寄せる花織ちゃん。


「翠ちゃんて、岩田先生と仲良いんだね」